最高裁判所第一小法廷 昭和24(れ)832 判決
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
弁護人長谷川天地の上告趣意第一点について。
しかし原判決は、所論被告人がA組に属する者である事実を所論被告人の第一審
第二回公判調書中の供述記載だけで認定したのではなく、原判決挙示のその他の証
拠を綜合してこれを認定したものであつて、その証拠を綜合すれば、原判示の右事
実認定を肯認することができるから、所論は採用できない。
同第二点について。
原判決挙示の証拠を綜合すれば、原判示の事実認定を肯認するに難くはないので
あつて、その判示事実は恐喝罪を構成するものであること多言を要しない。そして、
原判示において、判示の幹部とは何人を指し、単数か複数か、その意を受けた日時、
場所等が不明であり、また、若い者とは何人であり、その者との共謀の日時、場所
等が明らかにされていなくとも、恐喝罪の成立を妨げるものでないことも論を俟た
ないし、また、判示脅迫畏怖の点について却つて反対の証拠があるとしても、証拠
の取捨は原審の裁量に属するところであるから、原審がこれを採用しなかつたとこ
ろで違法であるということもできない。従つて、原判決には所論のような理由の不
備又は齟齬の違法があるということはできない。また、所論の本件事実の真相、所
謂聴取書の紛失並びに所論本件起訴事情の不純等に関する主張は、結局事実誤認の
主張に帰し、本件のような旧刑訴事件においては、刑訴施行法二条、刑訴応急措置
法一三条二項の規定により、上告適法の理由として採ることはできない。
よつて、刑訴施行法二条、旧刑訴四四六条に従い、裁判官全員一致の意見で主文
のとおり判決する。
検察官 長部謹吾関与。
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昭和二七年一二月一一日
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 岩 松 三 郎
裁判官 斎 藤 悠 輔
裁判官沢田竹治郎は退官につき署名捺印することができない。
裁判長裁判官 岩 松 三 郎
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